DELL 30インチ大型ワイド液晶モニターの修理
品名:UltraSharp 3008WFP                                                    2013年2月17日


大型液晶モニターの修理を行った。サイズは30インチ。
症状は電源ボタンを押しても電源が入らないと言うもの。
たしかに大元の電源ケーブルを差しても電気的な反応が一切ない。

お客様がメーカーに修理依頼をするも修理を断られたそうだ(本当かなw)
最近はパソコンの修理が多くて作業スペースも確保できないのにこのモニター。。。

しかし、せっかく当店をご指名下さったので、気合いを入れ直して修理に取りかかりました。


経験上このような症状の場合、@電源SW(スイッチ)基板を含めた配線問題 A電源ユニット内のヒューズ断 B電源ユニットの回路故障
などが考えられる。

早速分解作業を始めたが、ハイエンドモニターのためカバー全体がマック風でネジが一切使われていないタイプ。
分解するのに多少のキズが付くことを了解の上で作業を行った。

しかしカバーを外すのに相当手間取り、1週間以上かかってしまいました。



何とかカバーを外しました。(表から外すのがコツです)


初めに@の電源SW基板を含めた配線に異常が無いか調べてみた。


電源SW基板と配線の状態を調べた手書きのメモです。

電源SWを押すと、上から2個あるSWが同時に押され、IのG(グランド)にショートすることで電源が入るように
なっています。テスターで調べると配線に問題はありませんでした。

注意:白い10pinのフラットケーブルの先端は電源ユニットではなく制御基板の方に繋がっています。



                       制御基板 と 電源ユニット


配線上の問題では無いので、一番怪しい電源ユニットを徹底的に調べることにした。


        これが外した電源ユニットです。

Aのヒューズに異常はありませんでした。
残るはBの電源ユニット内の回路問題です。

電子部品を1個づつ、故障が起きやすい順で異常が無いか、テスターとオシロスコープを使って
チェックして行きます。(同時にハンダ不良や焼損跡が無いかも目視でチェックしていく)

電源の1次側には高電圧がかかっているので、いつもビビリながら測定していますw


数日後、ついに異常発見!!


回路の2次側にV30120Sと表示された形状がFETとよく似たショットキーバリアダイオードの内部で
各端子間がショート(短絡)していました。(原因は不明:たぶん品質の問題でしょう)


ハンダで外してテスターで抵抗を測定中(4はショート状態です)


コイツwが壊れていました。(ちなみに中国製)

交換用部品は、取引先の発注ミスの関係で到着が遅れるとの連絡が入り、
でーじ まちかんてぃしたので、我慢できず手持ちの在庫品を調べ
代わりとなる同等規格品を探し出して交換しました。


交換後の写真です。元のサイズより大きいが、何とか収まりました。
3本の足はヤスリで磨いて細くします。


参考までに、ハンダ面ではこの位置です。


仮組みして電源を入れると・・・

ノートPCのBIOS出力が正常に表示できるようになりました。
ちなみに左上に有るのが電源SW基板です。(青色のLEDランプが電源ランプ)



後は本組み後、数時間ネットサーフィンなどして異常が起きないことを確認して修理は完了です。



以上


<PR> パソコンの修理と改造修理はパソコン技研沖縄をご指名ください。お待ちしています。